ブラジルは危ない場所?スザノ市公立学校の乱射事件
先日、あるニュース記事に目を奪われた。
ブラジルサンパウロ州のある学校での殺人事件。
じつはこの町に何年か住んでいたことがあった。
とてものどかな小さな町で、日系人も多く、商店街が活気のあるいい町だった。
この記事を見てすぐに地元の友人に連絡したところ、町中が混乱しているようで、
送ってくれた写真には、よく行っていた施設の運動場に軍警察のヘリが止まっていた。
犯罪に慣れているブラジル人がこれほど混乱しているのには理由がある。
それは、犯罪の種類が違うからだ。
よく、「ブラジルは危ないんでしょう?」と言われる。
確かに、犯罪は日本に比べると非常に多い。
私も夜8時以降は絶対外に出なかったし、出たとしても車か、タクシーを使っていた。
昼でも人気のない通りは一人では歩かず、複数人だったとしてもかなり警戒した。
これはブラジルに限らず、海外では割とそうなんじゃないかと思う。
(少なくとも、南米の多くの国はそんな感じ)
ブラジルの犯罪理由の多くは貧困から来るもので(2018年7月現在、ブラジルは失業率が12%を超えている)、犯罪のほとんどが「金銭目当て」の強盗や窃盗、ひったくり。
子供も犯罪に手を染めることもおおい。
「食べるために、お金を奪う」のが多くで、そういった犯罪は対処法や予防法がある。
もし、「ブラジルで被害にあったら」どうしたらいいのか、またその「予防策」は、別の記事にしようと思うが、私は数年間住んでいて一度も被害に遭ったことはない。
ところが、今回の事件は全く性質が違う。
「金銭目当て」はある程度は避けられるが、「思想的」犯行(テロ)はどうしようもない。対処法もない。とにかく逃げるしかない。
それがどれほどの恐怖か。
犯罪がある程度身近にあるような場所にいたとしても、その感じ方が全く違うから、こんなに混乱しているんだろう。
もし、テロがありふれてしまったら、それこそ日常生活なんかまともに過ごせなくなる。(それでもある程度は慣れるんだろうけど)
以前は「ブラジルは危ないんでしょう?」と聞かれれば、
「注意さえしていれば大丈夫」と笑って言えたが、
こんなことが増えてしまうと、全く笑えない。
ブラジルは日本にないものがたくさんあるいい国だ。
そんな国だからこそ、こういう事件はとても痛ましい。